TOY$!安っぽい魂を燃やせ
1998年4月 B-PASS
●まず基本的なことから聞きたいんですけど、この3曲って、いつ頃できたものなんですか。
柴崎さん:詞と曲自体はal.ni.co結成以前のマテリアルというか、上杉が書きためてたもの
だよね。
上杉さん:うん書き溜めてたものをal.ni.coというフィルターを通して曲に仕上げていったっていう。
この3曲に関しては、ほんと最初、”この二人なら面白いもの作れるな”って思った通りのものが作れた
と思う。
●ただ、こういう曲を聴いて”オルタナっぽいね”っていう人も多いと思うんだけど。
上杉さん:呼び方は別になんでもいいというか、周りが決める事だし。”オルタナ”でも”ポップス”
でも、何でもいいです(笑)
柴崎さん:うん。オルタナと呼ばれているものとか、グランジのバンドでも、好きなバンドは
いっぱいあるから、それが自然に出てるのはいいけど。でも、別に俺達自身は”オルタナ作ろう”
と思って作ったわけじゃないからね。
上杉さん:ジャンルに対してのこだわりは全然なくて。基本的にヴォーカリストってそういう人が
多いと思うんですけど。俺の場合も、まずメロディから作っていって。で、”自分にとって新鮮な
音を作ろう”って気持ちでいろいろ考えていくんだけど
柴崎さん:”ユニークなものを作りたい”って意味?
●”誰も聴いたことない音、自分自身の音を作りたい”って意味?
柴崎さん:そう。al.ni.coにでしかできないようなものが作れたらいい
上杉さん:自分にとって斬新さを感じられるものだよね。
柴崎さん:きっと上杉に”グランジのバンドやろうぜ”って声かけられてたら、俺はal.ni.coやって
ないと思う(笑)
●二人で作業を進めていくのって、やっぱかなり面白いもんでした?
上杉さん:うーん・・・
柴崎さん:俺は・・・面白かったけど(笑)
●なんでそんな遠慮がちに言うんですか(笑)
上杉さん:俺は”面白い”ってのとは、また違って。刺激的って言うのがいいのかな?
柴崎さん:そうだね。そう言ったほうが近いかもね。俺は、上杉の作った詞と曲っていう原始的なものに
いろんなものを加えていって。そのアレンジの過程が、作曲していく作業に近い感覚があって。
例えば、最初メロディとラフなリズムだけがあって。それをリズムを変えたり、和音を変えたりすること
によって、自分にとって、また新鮮なものに感じられるようになるんですよね。最初に聴いた時の印象とは
また違う曲が生まれてくるっていうか。それがすごく面白くて。それに上杉が最初に持ってくる曲自体が
すごくポピュラリティーがあるっていうか
●どうアレンジしても、ただマニアックなものになってしまう心配がなかったんだ。
柴崎さん:うん。だからすごく冒険できた
●逆に上杉さんに聞きたいんだけど、意識して”ポップなものを作ろう”と思ってるわけではないですよね?
上杉さん:そうですね。単に聴いて覚えらんない曲は好きじゃなんで(笑)それが出てるんじゃないかな
●構成が複雑だったり難解な曲はダメ?
上杉さん:ダメと決めつけたくはないんだけど、今んところあんまり好きじゃなくて。逆に別に
シンプルさにこだわってるわけじゃなくて。自然にでてきたものがこれだったという(笑)
柴崎さん:俺達新人バンドだから、聴きての顔も今はあんまり意識してないし。まだどういう人達が
俺達の曲を聴いてくれるのかもわかんないし
上杉さん:ただ、”自分たち自身がカッコいいと思えるかどうか”ってとこには徹底してこだわりますね
それが聴きてに対しての誠意だとも思うんですよ。とりあえず、自分自身が今カッコいいと思える
音を作って・・・後はみなさん、どうぞご自由にという。それにいくら聴きてが求めてたとしても
俺達が「キャンデイ♡キャンディ」のテーマソングやってもね(笑)
●あはははは。現時点で、上杉さんの求めてる音は、この3曲の中に完全に投影されてますか?
上杉さん:いや、まだまだ。この3曲は序の口ですよ
●もっとすげえものが後に待ってる?
上杉さん:いや、すげえかどうかは聴きてによると思うけど(笑)でも俺自身にとってはまだ目次みたい
なものですね。
柴崎さん:別に”すげえの聴かせてやるぜ!”って、変に意気込んでるわけでもないしね
上杉さん:うん、身軽な感じで作っていきたいと思う。例えば今回も”雨音”(3曲目のデモトラック)
とか、ほとんどの音をうちで録って
●上杉さんの自分の部屋で?
上杉さん:うん
●ヴォーカル録りとか、どうしたの?
上杉さん:ハンドマイク使って(笑)でも俺の声がでかくて、外の音とか、あんま入らないもんなんですよ
●実際の曲作りって、どれくらい時間かかります?
柴崎さん:上杉の曲を、俺が一人であーでもないこーでもないっていじくりながら”これイマイチかな?”
ってやってると、横から上杉が”あっ、それいいじゃん”って言ってくれて。そこで完成することが多いけど(笑)
上杉さん:最初にデモテープ渡すとき、大まかなイメージは伝えるんですけど
●例えばどんな感じで?
上杉さん:”インドの葬式っぽくしといて”とか(笑)
●めちゃくちゃ漠然としてんですけど(笑)
柴崎さん:でも、あまり具体的なイメージ聞かされるより、その方がやりやすいですけどね。
”TOY$!”なんかも最初俺がデモ聴いたとき”これは俺がやる感じじゃないかもしんない”と
思って上杉に”ダメかもしんない”って言ったら、”じゃ、思いついたらやっといて”って(笑)
●それをシングルにすんのもすげえなと思うんですけど(笑)
上杉さん:完成したのを聴いたらよかったもんで(笑)
でも「TOY$!」には”誰が誰だろうと意味がない こんな世界じゃ生きちゃいけない”って重い言葉が
入ってるけど、そういう風に自分の中の重い気持ちをさらけ出していくことに恥ずかしさってないですか。
上杉さん:今までラブソングとかで虫歯になるような甘いことばっか歌ってきたから(笑)
恥ずかしさは全然ないですね。それにこの曲を書いたとき、たまたまこういう気分だっただけで。
だから詞を書くときにも、何も決め事はないし。ただ、自分の中でひとつだけ守りたいものがあって
やっぱ、ロックでありたいと思う。”これはロックじゃない”って、人がどう思おうが全然構わないんですよ。
自分にとってロックを感じられるもの、ロックと思えるものに影響されていきたいし、自分も生み出して
いきたいし。それに、どんなものでも吸収したものたちを、自分というフィルターを通して
ロックとして吐き出していける自信があるんですよ、今は
●まず基本的なことから聞きたいんですけど、この3曲って、いつ頃できたものなんですか。
柴崎さん:詞と曲自体はal.ni.co結成以前のマテリアルというか、上杉が書きためてたもの
だよね。
上杉さん:うん書き溜めてたものをal.ni.coというフィルターを通して曲に仕上げていったっていう。
この3曲に関しては、ほんと最初、”この二人なら面白いもの作れるな”って思った通りのものが作れた
と思う。
●ただ、こういう曲を聴いて”オルタナっぽいね”っていう人も多いと思うんだけど。
上杉さん:呼び方は別になんでもいいというか、周りが決める事だし。”オルタナ”でも”ポップス”
でも、何でもいいです(笑)
柴崎さん:うん。オルタナと呼ばれているものとか、グランジのバンドでも、好きなバンドは
いっぱいあるから、それが自然に出てるのはいいけど。でも、別に俺達自身は”オルタナ作ろう”
と思って作ったわけじゃないからね。
上杉さん:ジャンルに対してのこだわりは全然なくて。基本的にヴォーカリストってそういう人が
多いと思うんですけど。俺の場合も、まずメロディから作っていって。で、”自分にとって新鮮な
音を作ろう”って気持ちでいろいろ考えていくんだけど
柴崎さん:”ユニークなものを作りたい”って意味?
●”誰も聴いたことない音、自分自身の音を作りたい”って意味?
柴崎さん:そう。al.ni.coにでしかできないようなものが作れたらいい
上杉さん:自分にとって斬新さを感じられるものだよね。
柴崎さん:きっと上杉に”グランジのバンドやろうぜ”って声かけられてたら、俺はal.ni.coやって
ないと思う(笑)
●二人で作業を進めていくのって、やっぱかなり面白いもんでした?
上杉さん:うーん・・・
柴崎さん:俺は・・・面白かったけど(笑)
●なんでそんな遠慮がちに言うんですか(笑)
上杉さん:俺は”面白い”ってのとは、また違って。刺激的って言うのがいいのかな?
柴崎さん:そうだね。そう言ったほうが近いかもね。俺は、上杉の作った詞と曲っていう原始的なものに
いろんなものを加えていって。そのアレンジの過程が、作曲していく作業に近い感覚があって。
例えば、最初メロディとラフなリズムだけがあって。それをリズムを変えたり、和音を変えたりすること
によって、自分にとって、また新鮮なものに感じられるようになるんですよね。最初に聴いた時の印象とは
また違う曲が生まれてくるっていうか。それがすごく面白くて。それに上杉が最初に持ってくる曲自体が
すごくポピュラリティーがあるっていうか
●どうアレンジしても、ただマニアックなものになってしまう心配がなかったんだ。
柴崎さん:うん。だからすごく冒険できた
●逆に上杉さんに聞きたいんだけど、意識して”ポップなものを作ろう”と思ってるわけではないですよね?
上杉さん:そうですね。単に聴いて覚えらんない曲は好きじゃなんで(笑)それが出てるんじゃないかな
●構成が複雑だったり難解な曲はダメ?
上杉さん:ダメと決めつけたくはないんだけど、今んところあんまり好きじゃなくて。逆に別に
シンプルさにこだわってるわけじゃなくて。自然にでてきたものがこれだったという(笑)
柴崎さん:俺達新人バンドだから、聴きての顔も今はあんまり意識してないし。まだどういう人達が
俺達の曲を聴いてくれるのかもわかんないし
上杉さん:ただ、”自分たち自身がカッコいいと思えるかどうか”ってとこには徹底してこだわりますね
それが聴きてに対しての誠意だとも思うんですよ。とりあえず、自分自身が今カッコいいと思える
音を作って・・・後はみなさん、どうぞご自由にという。それにいくら聴きてが求めてたとしても
俺達が「キャンデイ♡キャンディ」のテーマソングやってもね(笑)
●あはははは。現時点で、上杉さんの求めてる音は、この3曲の中に完全に投影されてますか?
上杉さん:いや、まだまだ。この3曲は序の口ですよ
●もっとすげえものが後に待ってる?
上杉さん:いや、すげえかどうかは聴きてによると思うけど(笑)でも俺自身にとってはまだ目次みたい
なものですね。
柴崎さん:別に”すげえの聴かせてやるぜ!”って、変に意気込んでるわけでもないしね
上杉さん:うん、身軽な感じで作っていきたいと思う。例えば今回も”雨音”(3曲目のデモトラック)
とか、ほとんどの音をうちで録って
●上杉さんの自分の部屋で?
上杉さん:うん
●ヴォーカル録りとか、どうしたの?
上杉さん:ハンドマイク使って(笑)でも俺の声がでかくて、外の音とか、あんま入らないもんなんですよ
●実際の曲作りって、どれくらい時間かかります?
柴崎さん:上杉の曲を、俺が一人であーでもないこーでもないっていじくりながら”これイマイチかな?”
ってやってると、横から上杉が”あっ、それいいじゃん”って言ってくれて。そこで完成することが多いけど(笑)
上杉さん:最初にデモテープ渡すとき、大まかなイメージは伝えるんですけど
●例えばどんな感じで?
上杉さん:”インドの葬式っぽくしといて”とか(笑)
●めちゃくちゃ漠然としてんですけど(笑)
柴崎さん:でも、あまり具体的なイメージ聞かされるより、その方がやりやすいですけどね。
”TOY$!”なんかも最初俺がデモ聴いたとき”これは俺がやる感じじゃないかもしんない”と
思って上杉に”ダメかもしんない”って言ったら、”じゃ、思いついたらやっといて”って(笑)
●それをシングルにすんのもすげえなと思うんですけど(笑)
上杉さん:完成したのを聴いたらよかったもんで(笑)
でも「TOY$!」には”誰が誰だろうと意味がない こんな世界じゃ生きちゃいけない”って重い言葉が
入ってるけど、そういう風に自分の中の重い気持ちをさらけ出していくことに恥ずかしさってないですか。
上杉さん:今までラブソングとかで虫歯になるような甘いことばっか歌ってきたから(笑)
恥ずかしさは全然ないですね。それにこの曲を書いたとき、たまたまこういう気分だっただけで。
だから詞を書くときにも、何も決め事はないし。ただ、自分の中でひとつだけ守りたいものがあって
やっぱ、ロックでありたいと思う。”これはロックじゃない”って、人がどう思おうが全然構わないんですよ。
自分にとってロックを感じられるもの、ロックと思えるものに影響されていきたいし、自分も生み出して
いきたいし。それに、どんなものでも吸収したものたちを、自分というフィルターを通して
ロックとして吐き出していける自信があるんですよ、今は
by sinasoba4
| 2015-09-10 06:42
| ai.ni.co雑誌