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上杉昇さんUnofficialブログ ~Fragmento del alma~ 

wesugisan.exblog.jp

上杉昇さんの歌声をもっと沢山の人に聴いてもらいたいのと、過去、現在を含め、HP主流の時代は、充実したHPがありましたが、ブログはないなと感じたので、自分で作ってしまえ~という想いで作りました。何かを感じて、上杉さんの音楽を聴いてみたいと思ってくれたら、本望です。

al.ni.cooLIVE1999#1 2.17 SHIBUYA CLUB QUATTRO

1999年4月 UV



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オルタナティヴの、さらにその先へ。al.ni.coのファーストアルバム「セイレン」は、その意思の強さ
によって、有無を言わせぬ衝動を伝える作品である。ある曲は、メタリックで暴力的なギターの音圧に
よって。しかも、すべての曲が限界のテンションを保ちつつ、不特定多数のポピュラリティを拒否していない
「自分がロックキッズだった頃に、いつか本当にロックを感じられるアルバムを作りたい、と思っていた」
と上杉が言った通りに、ズッシリとした聴き応えを覚える大作である。
しかし。今日2月17日の時点で、アルバムはまだ発表されていない。
レコーディングはタイムリミットのギリギリまで続けられ、準備期間もほとんどなかったはずだ。従って1時間
程度のショウケースになるんだろう、と予測していたが、甘かった。全16曲、90分に及ぶal.ni.co
の初ライブは、彼らの存在価値から問題点まで、すべてが見渡せる画期的なものだった。
WANDS時代からのファン、al.ni.coとしての新しいファン、関係者、プレスが詰めかけた会場。
何の演出もなく、メンバーが暗いステージに現れた瞬間から、客席は悲鳴と歓声に包まれる。上杉が手を
振り上げる。1曲目は、アルバムと同じ「Prologue」だ。上杉と柴崎のこれまでとこれらを、短いが力強い
歌詞にしたためた、オープニングにふさわしい曲だ。3人のサポートメンバーを従えて、柴崎がバンマスの役割を
果たす。上杉は、着古したニット帽にサングラス、白衣に身を包み、カッコよく見せることなど
まったく意識してない。ひたすらに、歌うことに集中して、「カナリア」「G」「晴れた終わり」と立て続けに
ハードな曲を並べる。
「お気に召しましたか?」
上杉が、皮肉っぽい短いMCを入れる。しかし、彼がこのライブを楽しんでいるということは明らかだ。
客席に向かって耳をすまし、覗き込み、最前列の観客の手を叩き、自分がここにいることを確かめる動作を
何度も繰り返す。そして、6曲目と7曲目に披露された曲は、ニルヴァーナの「RAPE ME」とビートルズの
「Lucy in the Sky with Diamonds」のカバーだ。どちらもふたりの音楽的志向をよく表した選曲で、
特にオリジナルの日本語詞を乗せた「Lucy~」にはal.ni.coの音楽的なルーツが強く感じられて、
とても興味深く聴ける。
中盤ではアコースティックかつドラマティックな曲が続き、アルバムの白眉「Suicide Solution」
では、圧倒的な解放感が会場全体を包む。このビートルズ以来脈々と続くメロディアスなロックの伝統と
’90Sオルタナティヴのヘヴィな感覚とがないまぜになった空気感がal.ni.coの重要な核の部分であることは
間違いない。
そして、13曲目に演奏されたもう1曲のカバーはニールヤングの「HEY HEY MY MY」である。
「ロックンロールは死なない!」と高らかに宣言したこのロックアンセムを、いとおしむようにほぼ
完全コピーで演奏する。この日披露された3曲のカバーは、オリジナルとまったく同じように」
al.ni.coの存在価値をはっきりと示していた。
彼らはどこから来て、どこへ行くのか。その座標軸が、今日このステージの上でひとつに交わっているのが
見える。
「サンキューどうもありがとう」
シンプルな言葉で、上杉が今日のライブをしめくくる。さすがに16曲を歌いきった消耗は激しい。
演奏陣とのバランスもベストではない。昔のファンとのギャップもある。しかし、それらの
欠点を補って余りある、圧倒的な意思の力がここにある。それを上杉は「生への執着」だと
言った。堂々たるファーストライブだった、と言っておきたい。




「Rape Me」
Nirvana




「Lucy in the sky with diamonds」
The Beatles





「Hey Hey, MY MY」
Neil Young





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by sinasoba4 | 2015-10-09 06:05 | al.ni.co雑誌