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上杉昇さんUnofficialブログ ~Fragmento del alma~ 

wesugisan.exblog.jp

上杉昇さんの歌声をもっと沢山の人に聴いてもらいたい。そんな想いを伝えたくてブログを始めました。あまり目立ったり、FAN仲間を作る目的ではなく、自分がいいと思う上杉さんの楽曲を沢山の人に聴いてもらいたい、知ってもらいたい。純粋によい音楽を聴いてもらいたいという思いだけですので、何かを感じて、上杉さんの音楽を聴いてみたいと思って頂けたら、本望です。

1995年 WANDSインタビュー ②

95年4-5月
初の全国ツアー


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●そしてライブ。アルバムのリリース前の4月14日から、全国ツアーが始まってましたよね。
初めてのツアーは長かったですか。

上杉さん:うん、長かったですね。

●それは気持ちの上で何か重いものがあったから?

上杉さん:いつもライブをやる度に感じる、妥協できないっていう気持ちの影響かな。
根本的な姿勢からしっかりしてないとすべての面に悪い影響がっでてくるから。

●ツアーでは問題点もどんどん明確になってきたって感じでした?

柴崎さん:ファンの全体像が見えるっていうのもありましたね。

上杉さん:ステージの上にいると、ファンの人が求めているものがはっきり分かるんですよ。
感じるっていうのかな。やっぱりお金を払ってたくさんの人が来てくれる訳じゃないですか。
無責任にはなれないプロとしての意識があって、ファンの人が求めているものに応えて
あげなくてはならない。だけど、自分たちのやりたいことは、すべてのファンが求めているものと
必ずしも一致してないというか、ズレがあるのは否めないみたいなところ

柴崎さん:それによって進むべき方向が見えてくる。

●それは、正直に音楽やってるアーティストにとって、永遠の悩みじゃないかって気がしますけど

上杉さん:例えばファンの子たちが、俺が手を振ったりとかそういうのを求めてるとするじゃないですか
そういうのに応えるべきなのか、それともアーティストとしてのWANDSを見に来てくれていると一方的
に解釈して、自分たちの意志っていうのを貫くべきなのかってすごく悩みました。
だから、みんながみてる手放しでがんばっちゃおうみたいな、テンションはなかった。常に
シビアでストイックにしかライブはまだやれないから。

●ツアーは全国11箇所11公演ありましたけど、その中で気持ちは色々揺れてた部分があったって
事ですね。バンドとしてのパフォーマンスという意味ではどうでした?

柴崎さん:それはどんどん良くなってきていると思います。

●人間だから、出来、不出来があって当然だと思いますけど、11公演の中で、印象に残っている
ライブっていうのはありますか。

上杉さん:すごく出来が良かった時と最悪だったときしか覚えていませんね。

●最高の時っていうのは?

上杉さん:最高の日はねえ、最終日の東京と広島だったかな?

●それはどういう要素が最高と言わせるんでしょう

上杉さん:ゴールみたいなのがあって、一回自分の中で限界だなって思うときがくるんですけど
それを乗り越えてハイになれたときは、良かったなあと自分でも思えるんです。乗り越えるのが
非常に大変なんですよね。

●柴崎さんはどうでした?

柴崎さん:楽器の場合は、歌と違って脳みそから指令がでて音がでるまでの間に手が入ったりとか
するわけじゃないですか、限りなく自分の頭とでてくる音が近づいたときが、ほんとにプレイしたって
感じになるんですよ。小手先のミスとかそんなのは全然問題じゃなくて、ホントに自分の声のように
感じるプレイができたときが最高

●ツアーの中ではそういう瞬間は何回かありました?

柴崎さん:覚えてるのは中野サンプラザの二日間ですかね。でも、これって難しいんです。
もちろん、自分の精神的なコンディションもあるだろうし、指とか身体のコンディションも機材面の
コンディションも微妙に絡んできますしね。

●そういう実感があるときは思わずステージ上でもにヤーっと。

柴崎さん:しますね(笑)あとは、自分の演奏に対して観客がちゃんと反応してくれてると感じた時
ですね。逆に、一番悲しいのは、しゃべったときに一番盛り上がってしまうとか、ちょっと手を振ったら
盛り上がって、それ以外は何も期待されたないみたいな雰囲気。そんなのが一番つまんない。

●最悪のライブも、当然印象に残ってるわけですよね。その日は何もかもボロボロ?

上杉さん:今回、膝を悪くしたりいろいろあって、体力的にも大変だったんですけど、
気持ちが乗ってる日っていうのは、どんなに体調が悪くても、悪いなりになんかこう、
そのときしかできない良さをだしてやろうとか、結構良いライブができる自信はあるんですけど
だめだった日っていうのは、精神的にも終わっちゃってて。あとノドに声が出なくなって、思わず
東京に帰ろうかと思った(笑)

●それは、穏やかじゃないですね(笑)バンドってツアーで育つってよく言いますけど
WANDSはどうでした?

上杉さん:育ったかどうか分からないんだけど、タフになったのは事実。少なくともあの時は
精神的に強くなった。

●メンバー同士の関係に、より強いものがでたとか、変化がでたとか。

上杉さん:これだけしかやってないわりには力をあわせてやってかなきゃっていう意識
がでてきたかな。例えば、僕が体調悪かった時、普段あんまり走ってステージから飛び降りたりとか
しない柴崎が、やってくれたりとか。そういうのはすごく感じましたけどね。

●ダサい言葉ですけど、絆(きずな)みたいなものが育った

上杉さん:そういうものもありましたけど、あんまりいいことばかり言うとそこで止まっちゃうんで(笑)

●何とストイックな(笑)WANDSが目指すライブっていうのはどんなものなんでしょう。

柴崎さん:そうですね。曲を伝えるって部分と。あのツアーでは、曲を通してただ終わるって
感じだったけど、もっと突発的な出来事を何かに発展させていけるようなライブをしたいと
思ってるんですけど。

●突発的な何かというと、ちょっとしたハプニングなんかも自分たちで取り込んでいって
プラスに転換していくような。

柴崎さん:ええ。例えば、上杉がいつもと違うところでファイクをしたりすると僕がそれに
ギターで応えるにも、曲のサイズが決まってたんじゃ同じようにしか終われない。
もっと自由な方法が何か見つかればいいんですけどね。自分の好きなバンドのライブなんかを
見ると特にそう思うんだけど、「これがライブってもんだよな」とか、ホント束縛するものが
何もなくて、ステージが生きてるっていうか、僕はそういうものをすごく音楽的だと
思うんだけど、俺達もそういうものを目指したい。

●これはツアーをやってみて初めてでてくる感情だと思うんですけど、ライブとスタジオと
どちらが好きですか。

柴崎さん:両方好きですね。バランスとかもあるんだろうし、ずっーっとスタジオに入ってると
観客の前で演奏したいと思うし、クリエイトする要求もあって、ライブでずーっと同じ曲
やってたら飽きて、新しい曲を作りたいっていう欲求が出てくるだろうしね。両方充実感は
あります。

続く

by sinasoba4 | 2015-09-02 07:58 | WANDS雑誌

by 支那そば