自分セラピー
1998年5月 音楽と人
●まず、すっごく基本的なことから訊いちゃいますけど、音楽に興味を持ったキッカケって
なんだったんですか?
上杉さん:歌は子供の頃から得意だと思ってて・・・それこそお祖母ちゃんち行ってこたつの
上をステージがわりに歌うみたいなね(笑)ただ、そんなに目立ちたがり屋ではなかったんですよ。
で、中学入ったら、これがすげえ悪い学校で
●おおっ!
上杉さん:当時、いわゆるピュアな不良グループと屈折したメタルグループの二つに分かれて
たんですよ。
●すごい環境(苦笑)
上杉さん:テスト中なのに、廊下でメタリカの「マスターオブパペッツ」とかかけちゃうような
それがロックとの出会いです。
●わははは!だけど、上杉さんは、どうしてピュアな不良グループに行かなかったんですか?
上杉さん:最初はピュアな不良派だったんだけど、やっぱり何か・・・・
●テスト中に聴いたメタリカの方が印象的だった?
上杉さん:うん、あの衝撃に勝てなかったですね(笑)
●でも、そこから人生変えるような音楽との出会いもあったと思いますけど
上杉さん:もとはメタリカとかハノイロックスなんかも好きでいろいろ聴いてたんですよ。
でもやっぱガンズ(アンドローゼス)が結構キましたね。これはファンの人なら知ってる人が多いんですけど
学校の帰りに喫茶店に入って、百円入れるとプロモ・ビデオが観れるのがあるじゃないですか
●レザージュークってやつですね。
上杉さん:ええ。あれで友達にウェルカムトウザジャングルを見せられて。まあその頃から遊びで
バンド演って、スタジオで練習なんかしてたんですけど、それ見た瞬間から「あ、ここしか自分の居場所は
ない」と直感的に思ってしまったというか・・・閃いた
●いつ頃なんですか?
上杉さん:いつ頃なんだろうーあ、思い出した、専門学校行ってたんだ。で、そのビデオ観て
「これだ」と思って学校辞めました。
柴崎さん:早いよね(笑)
●そんな上杉さんと一緒に演ってる柴崎さんの音楽体験話をお訊きしたいんですけど。
柴崎さん:反骨精神からロックを演るみたいな感覚は全然なくって。ギター始めたのは、ハードロックの
あの濃密なエネルギーにドカンとやられたからだと思います。
●極めて純粋な動機ですね。柴崎さんもやはりハードロックにガツンときたあたりが上杉さんとも
共通してるようですが
柴崎さん:僕は単純にカッコイイと思っただけなんですけどね。あとすごく芸術的な感じもしたんで
ああいう音楽が
●なるほど・・・・
柴崎さん:そういうのを経て、あまりにもギターが好きになって「もう俺はこれしか演りたくない」
って思ったんです。そっから高校の頃の「将来ああいうバンド組みたいな」って漠然とした気持ちが
「プロになりたい」ってものにすり替わったというか
●だけど、そこで即学校は辞めなかったんですね?
柴崎さん:ええ(苦笑)高校を卒業して、じゃあ、音楽演るために何かしたいなと思いながら
大学に行ってしまったんだけど
●行ってしまったんですか。
柴崎さん:それで1年の終わりくらいで辞めました
まあ、上杉みたいに学校入って2ヶ月でビデオ観て「あ、これいい。じゃあ、辞めよう」じゃなかったけど(笑)
でも、こんな僕でもね、辞めた時には周りから「スゴイ決断したね」って言われたんですよ
●なんだけど、それを上回る人間がいたわけで(笑)そんなお二人がこうして一緒に活動してるわけ
じゃないですか。どういう部分にお互いの魅力を感じますか?
上杉さん:それはあのーインドの葬式・・・・
●・・・・は?・・・・
上杉さん:曲作る時に「ちょっとインドの葬式っぽくしたいんだよね」って行って通じないと
僕って極めて感覚的に意思表示する人間なんで
柴崎さん:まあ一緒に7年くらいやってきたから。その中で、自然に理解できるようになってきたっていう
●理論より直感なんですね。
柴崎さん:年々、何か新しいものを演りたいと思った時に、音楽的なノウハウみたいなことって
全然役に立たないんだなって感じるんです。初期衝動みたいな気持ちも、プロとしてキャリアが
始まってからの方が出てきた気がするし
●ああ、一番大事なことですもんね。今新たにデビューするじゃないですか。やはり初心みたいなものって
意識します?
柴崎さん:それはあります
●そのデビューシングルは敢えてかなりハードなアプローチですよね。じゃあ、al.ni.coにおける
ポップスの定義があるとしたら、どういう部分になるんでしょう。
柴崎さん:メロディは基本的に上杉が作ってるんだけど、彼のメロってね・・・絶対に覚えられるんですよ
●確かにいいメロだったら絶対忘れないもんね。いちいち録音しなくても
上杉さん:そうですね。やっぱ歌から作ってるし、僕案外なんでも聴くんですよ。
それこそ、カーペンターズとかも好きだし
●ジャンルにこだわってないんだ。
上杉さん:基本はそうです。それをal.ni.co流にいかにロックにするかってことだと
思うんですけど
●そこで音色的にロックを選ぶところに、かつてガンズを聴いて衝撃を受けたものを求めてる
気はしますね。
上杉さん:どうだろうなあ
柴崎さん:自分のためのセラピーみたいのがあるんじゃない?
上杉さん:あ、僕が?
柴崎さん:同じ世代のミュージシャンちかと、「どういうキッカケで音楽始めたの?」って
たまたま、話したことがあったんですよ。その人は「友達を作るため」みたいなことを
言ってたんですよね。僕はそれがすごく意外だった。自分は、どうだって考えると
「始めた時から、自分のために演ってたんだな」というのが、よくわかったんですね。
だから、僕らって、音楽は自分たちのために演ってると思う。
●音はハードだけど、内容は非常に内側に向かってますもんね。
上杉さん自身が内面にだすことで、それが自らのセラピーになってるのはあるんじゃないですか?
上杉さん:うーん、あまりにも明るくてお祭り的な歌詞って・・僕はあんまり得意じゃないというか、
完全に開放的にはなかなかなれないんですよ。「青空の下で羽ばたこうぜ」みたいなのは
ちょっと(苦笑)
●わははは!それは薄ら笑いですよ。
上杉さん:その僕がお祭り的なのが嫌いなのはー嫌いというか、現状があまりにも安定していると
逆に不安になっちゃうんですよ。もし、日本の全てのメディアが、ニュースんで悪いことを一切
報道しなかったとしたら、どれだけの人が不安を感じるだろうと。それに近いかもしれないですね。
●あんまり幸せだと「え?これでいいの?」って感じますもん(苦笑)
上杉さん:何かこう、陰と陽の法則みたいなのって、何にでもあるような気がしてて
●すごく幸せな状況を歌にするってことはありえないのかなあ
上杉さん:それはどうかなあ。なってみないと
柴崎さん:そういう風になった時に、どういうものがでてくるのか。すげえ興味ある
●ありますね、それは(笑)5月にはまた新曲をだすみたいじゃないですか。次はどんなものなのか
ちょっと楽しみです。では、せっかくのデビュー時の取材なんで抱負なんぞをひとつ
上杉さん:ん・・・27歳で死んじゃうアーティストって多いじゃないですか。今度26なんですけど
そのくらいの時期ってある種、すごい作品が世に出ることが多いから、自分も死ぬってわけじゃないけど(笑)
柴崎さん:まだ始まったばかりですからね。とりあえず、アルバム作ってズラッと十何曲並べたものを
聴いてみたいです
●まずはそこからなんですね。
なんだったんですか?
上杉さん:歌は子供の頃から得意だと思ってて・・・それこそお祖母ちゃんち行ってこたつの
上をステージがわりに歌うみたいなね(笑)ただ、そんなに目立ちたがり屋ではなかったんですよ。
で、中学入ったら、これがすげえ悪い学校で
●おおっ!
上杉さん:当時、いわゆるピュアな不良グループと屈折したメタルグループの二つに分かれて
たんですよ。
●すごい環境(苦笑)
上杉さん:テスト中なのに、廊下でメタリカの「マスターオブパペッツ」とかかけちゃうような
それがロックとの出会いです。
●わははは!だけど、上杉さんは、どうしてピュアな不良グループに行かなかったんですか?
上杉さん:最初はピュアな不良派だったんだけど、やっぱり何か・・・・
●テスト中に聴いたメタリカの方が印象的だった?
上杉さん:うん、あの衝撃に勝てなかったですね(笑)
●でも、そこから人生変えるような音楽との出会いもあったと思いますけど
上杉さん:もとはメタリカとかハノイロックスなんかも好きでいろいろ聴いてたんですよ。
でもやっぱガンズ(アンドローゼス)が結構キましたね。これはファンの人なら知ってる人が多いんですけど
学校の帰りに喫茶店に入って、百円入れるとプロモ・ビデオが観れるのがあるじゃないですか
●レザージュークってやつですね。
上杉さん:ええ。あれで友達にウェルカムトウザジャングルを見せられて。まあその頃から遊びで
バンド演って、スタジオで練習なんかしてたんですけど、それ見た瞬間から「あ、ここしか自分の居場所は
ない」と直感的に思ってしまったというか・・・閃いた
●いつ頃なんですか?
上杉さん:いつ頃なんだろうーあ、思い出した、専門学校行ってたんだ。で、そのビデオ観て
「これだ」と思って学校辞めました。
柴崎さん:早いよね(笑)
●そんな上杉さんと一緒に演ってる柴崎さんの音楽体験話をお訊きしたいんですけど。
柴崎さん:反骨精神からロックを演るみたいな感覚は全然なくって。ギター始めたのは、ハードロックの
あの濃密なエネルギーにドカンとやられたからだと思います。
●極めて純粋な動機ですね。柴崎さんもやはりハードロックにガツンときたあたりが上杉さんとも
共通してるようですが
柴崎さん:僕は単純にカッコイイと思っただけなんですけどね。あとすごく芸術的な感じもしたんで
ああいう音楽が
●なるほど・・・・
柴崎さん:そういうのを経て、あまりにもギターが好きになって「もう俺はこれしか演りたくない」
って思ったんです。そっから高校の頃の「将来ああいうバンド組みたいな」って漠然とした気持ちが
「プロになりたい」ってものにすり替わったというか
●だけど、そこで即学校は辞めなかったんですね?
柴崎さん:ええ(苦笑)高校を卒業して、じゃあ、音楽演るために何かしたいなと思いながら
大学に行ってしまったんだけど
●行ってしまったんですか。
柴崎さん:それで1年の終わりくらいで辞めました
まあ、上杉みたいに学校入って2ヶ月でビデオ観て「あ、これいい。じゃあ、辞めよう」じゃなかったけど(笑)
でも、こんな僕でもね、辞めた時には周りから「スゴイ決断したね」って言われたんですよ
●なんだけど、それを上回る人間がいたわけで(笑)そんなお二人がこうして一緒に活動してるわけ
じゃないですか。どういう部分にお互いの魅力を感じますか?
上杉さん:それはあのーインドの葬式・・・・
●・・・・は?・・・・
上杉さん:曲作る時に「ちょっとインドの葬式っぽくしたいんだよね」って行って通じないと
僕って極めて感覚的に意思表示する人間なんで
柴崎さん:まあ一緒に7年くらいやってきたから。その中で、自然に理解できるようになってきたっていう
●理論より直感なんですね。
柴崎さん:年々、何か新しいものを演りたいと思った時に、音楽的なノウハウみたいなことって
全然役に立たないんだなって感じるんです。初期衝動みたいな気持ちも、プロとしてキャリアが
始まってからの方が出てきた気がするし
●ああ、一番大事なことですもんね。今新たにデビューするじゃないですか。やはり初心みたいなものって
意識します?
柴崎さん:それはあります
●そのデビューシングルは敢えてかなりハードなアプローチですよね。じゃあ、al.ni.coにおける
ポップスの定義があるとしたら、どういう部分になるんでしょう。
柴崎さん:メロディは基本的に上杉が作ってるんだけど、彼のメロってね・・・絶対に覚えられるんですよ
●確かにいいメロだったら絶対忘れないもんね。いちいち録音しなくても
上杉さん:そうですね。やっぱ歌から作ってるし、僕案外なんでも聴くんですよ。
それこそ、カーペンターズとかも好きだし
●ジャンルにこだわってないんだ。
上杉さん:基本はそうです。それをal.ni.co流にいかにロックにするかってことだと
思うんですけど
●そこで音色的にロックを選ぶところに、かつてガンズを聴いて衝撃を受けたものを求めてる
気はしますね。
上杉さん:どうだろうなあ
柴崎さん:自分のためのセラピーみたいのがあるんじゃない?
上杉さん:あ、僕が?
柴崎さん:同じ世代のミュージシャンちかと、「どういうキッカケで音楽始めたの?」って
たまたま、話したことがあったんですよ。その人は「友達を作るため」みたいなことを
言ってたんですよね。僕はそれがすごく意外だった。自分は、どうだって考えると
「始めた時から、自分のために演ってたんだな」というのが、よくわかったんですね。
だから、僕らって、音楽は自分たちのために演ってると思う。
●音はハードだけど、内容は非常に内側に向かってますもんね。
上杉さん自身が内面にだすことで、それが自らのセラピーになってるのはあるんじゃないですか?
上杉さん:うーん、あまりにも明るくてお祭り的な歌詞って・・僕はあんまり得意じゃないというか、
完全に開放的にはなかなかなれないんですよ。「青空の下で羽ばたこうぜ」みたいなのは
ちょっと(苦笑)
●わははは!それは薄ら笑いですよ。
上杉さん:その僕がお祭り的なのが嫌いなのはー嫌いというか、現状があまりにも安定していると
逆に不安になっちゃうんですよ。もし、日本の全てのメディアが、ニュースんで悪いことを一切
報道しなかったとしたら、どれだけの人が不安を感じるだろうと。それに近いかもしれないですね。
●あんまり幸せだと「え?これでいいの?」って感じますもん(苦笑)
上杉さん:何かこう、陰と陽の法則みたいなのって、何にでもあるような気がしてて
●すごく幸せな状況を歌にするってことはありえないのかなあ
上杉さん:それはどうかなあ。なってみないと
柴崎さん:そういう風になった時に、どういうものがでてくるのか。すげえ興味ある
●ありますね、それは(笑)5月にはまた新曲をだすみたいじゃないですか。次はどんなものなのか
ちょっと楽しみです。では、せっかくのデビュー時の取材なんで抱負なんぞをひとつ
上杉さん:ん・・・27歳で死んじゃうアーティストって多いじゃないですか。今度26なんですけど
そのくらいの時期ってある種、すごい作品が世に出ることが多いから、自分も死ぬってわけじゃないけど(笑)
柴崎さん:まだ始まったばかりですからね。とりあえず、アルバム作ってズラッと十何曲並べたものを
聴いてみたいです
●まずはそこからなんですね。
by sinasoba4
| 2015-09-11 20:02
| ai.ni.co雑誌