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上杉昇さんUnofficialブログ ~Fragmento del alma~ 

wesugisan.exblog.jp

上杉昇さんの歌声をもっと沢山の人に聴いてもらいたい。そんな想いを伝えたくてブログを始めました。あまり目立ったり、FAN仲間を作る目的ではなく、自分がいいと思う上杉さんの楽曲を沢山の人に聴いてもらいたい、知ってもらいたい。純粋によい音楽を聴いてもらいたいという思いだけですので、何かを感じて、上杉さんの音楽を聴いてみたいと思って頂けたら、本望です。

彼のいる場所



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●思えば彼はデビューの頃から今まで、普段のファッションはライダースジャケットに帽子。いわゆるロック小僧の気合十分!的なスタイルだけれど、それは彼が音楽に人生を賭けようと決めた時から変わらないものらしい

上杉さん:最初はハードロックも、本当雑音にしか聴こえなくて・・・・好きな娘が出来て、振られたときに”うるさいのが聴きたいなあ”と思って友達に借りてきて聴いてるうちに、が始まりでしたね。歌い始めたのは高校1年ぐらいの時で、友達に”ヴォーカルがいないんだよ、演ってくれない?”って言われて遊びのバンドでスタジオに入って。勉強はあんまり好きじゃなかったんですけど、すごい昔から自信過剰な奴で。例えば音楽の授業を受けても”何でこんな奴(過去の音楽家達)のことを覚えなきゃいけないんだ!俺の方が凄いかもしれないのに”とか考えてたしね。極端な話。だけどとりあえず、”自分が何をしたいのか”っていうのはなかったんですよ中学卒業してからしばらくずっと悩んでる時期が続いて・・・遊びでバンド演って、まあ学校行って。真剣に音楽演ろうか、それともみんなと同じようなレールに乗っかるかっていうのを凄い悩んで、どっか吹っ切れなくて。それが振っきれたのは本当につまらない事なんだけど・・・友達と喫茶店行って、”ガンズ(&ローゼス)知ってる?”ってビデオ観せられたんですよ。まだガンズがブレイクしはじめの頃で、曲は聴いててもビデオ・クリップは観たことなくて・・・・初めて観せられてすげえ衝撃で、もう”ここしかないな、自分の行き場は!”って・・・おおげさな言い方なんですけど、”これのためだったら自分は死んでもいいな”って場所にずっといきたいなって思ったし”一生それを演っていけるものを選ぼう”と決めてたから

●ガンズ&ローゼスにショックを受けた彼は単純にハイトーンを出せるようになりたい!という理由からヴォーカルスクールに通い始める。口の聞き方から複式呼吸法まで、ロックヴォーカリストに必要な基礎を教わりながら、一方ではアマチュアバンドとして、ライヴハウスで歌うという日々を送っていたらしい


上杉さん:最初のバンドはハノイロックスとかのロックンロール系で、あのショックを受けてからはハードな方に行って・・・町田とか横浜のライヴハウスで演ってて・コピーバンドのわりには(ファンに)握手を求められたり(笑)してましたね。俺はそのバンドをずっと演って行きたくて・・・クサい言い方だけどメンバーの中でも友情みたいな物があったし。あれがいわゆる青春っていうやつだったのかなって・・・・今思うと。でもメンバーが就職の時期になったり、家庭の問題でロックを続けられ
なくなったりして、結局俺一人取り残されて。それからはあらゆることをしましたよ。雑誌のメンバー募集やレッスンに行ってた
学校の講師の人に”メンバーいたら紹介して”って言ってみたり・・・で、結局そこで紹介してもらった奴とヘヴィなバンドを演りだし
たんですけど。メンバーはみんな年上で、本格派志向というか・・・・何かこう、知らない土地にポーンと入れられた迷子の猫の
ような・・・・はは。そのバンドはアマチュアのわりにテクニックもあったんですけど、今、柴崎とかに聴かせると馬鹿に
されますね(笑)


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●そのバンドも年長のメンバーが大学卒業の時期を迎えると空中分解した。その後幸運にもスクールを通して
WANDS結成の話が舞い込み、急転直下彼はプロとしてのキャリアを歩み始めるのだが、ライブハウス叩き上げの
ロックヴォーカリストだった彼にとって、プロの要求する繊細な歌のクオリティはとてつもなく過酷な物だった

上杉さん:もう本当・・・それまでの自信は煙のようで(歌の音程をキープするなどの要求に対する)
打撃は物凄くありましたよ最初は・・・・うーん、俺じゃないっ!みたいな(フラストレーション発散のために)一人でスタジオ行ってテープかけて昔の曲を歌いまくったりもしてました。恥ずかしいけど”今日はこういう感じで歌はどうだった”
とか必ず毎日書いてたし。でも今はそんなこともないし、気持ちいいというか・・・
それはこの2年間弱で自分の中の”上杉 昇”っていうヴォーカリストの理想的なヴィジョンがはっきりしてきたから・・・歌うことの意味が分かりかけてっきたというか、自分自身が何なのかっていうのが見えてきたのが一番大きいと思うんですけど

●ご存知のようにWANDSはデビュー以来一度もライヴを演っていない。テレビ出演での演奏を除けば
レコーディング時以外、彼が歌を歌う機会は皆無なわけだ。それなのに作品を重ねるごとに彼のヴォーカル
クオリティは高まり、ハードエッジな味わいをさらけ出し始めている。

上杉さん:レコーディングでも、詞を書く段階で耳にタコが出来るほどテープを巻き戻して聴きながら
もう自分の中で歌ってるんですよね。それに本チャンの歌を録るまでに何回も歌いますから・・・
もう(録音)ブースの中に入ると4時間とか歌いっぱなしで、自分の声が出なくなるくらいまで
出しまくって。それとやっぱり自分の中にある”思想”みたいなものや・・・・詞を書くことって
自分の中にある思想をいかに文章で描くかってことだと思うんですけど・・・・・
感情移入の仕方とか、以前よりも全然集中力が増してきたっていうのはあります。
詞の内容がより自分に近くなったぶん、それだけ詞の中に入り込めるようになってきてて


●そんな彼の荒削りなパワーを含んだミニアルバム「Little Bit・・・」に続いて、11月17日には
最新シングルも発表される予定だ。
「Jumpi'n jack Boy」と「White Memories」の2曲が両A面扱いで発表されるこの作品は、WANDS独特の
突き抜けた疾走ロックエッセンスをブチまけた前者と、じわじわ温もりと刹那さ身体に回りながら泣けてくる
ファンク・ミディアムの後者という絶妙のバランスを持った作品で、この1年半ほどの時間ほとんどをスタジオでの
制作活動に費やしてきた彼らのある意味での集大成であり、メモリアル的な意味合いさえも持ってるような
感触だ。

上杉さん:1曲目に関しては俺のわりに・・・って言うと変ですけど・・・ラフに詞は書けました。
”君が欲しくてたまらない”ってZYYGに書いた曲を、実は俺凄い気に入ってて。自分で歌いたかったなあって
いうのがあってね、WANDSでああいうノリの曲が欲しかったっていうか。
直球一本?そうですね。自分の欲求とかをそのまま言葉にのせてるって感じかもしれませんね。2曲目は
デビュー当時から大切にしまってあった曲で、サビ以外の詞をあらたに書き換えて・・・・
まあ、恋愛に対して大人になりきれない自分というのがあって、それがテーマです。
今、聴き直してみると、やっぱり恋愛とかって大人になっちゃいけないものなのかなって
思ったりしてるんですけど

●実は彼には「White Memories」に対して相当の思い入れがあるらしい。どの作品もビックセールスを
記録し、いわゆる”普通の男性として生活できずらくなってしまった一人のミュージシャンである彼が
93年の今直面しているプライベートにおける壁、憧れ、苛立ち、そして恋愛への感情が結晶のようにつまった
生身のラブソングと言っても言い過ぎでない

上杉さん:今の俺の現状って・・・WANDSっていう大きな塊が目の前のここにあるんですね。でもそれから
目をそらせば、普通の世界にはいろんな事があって・・・恋愛とか結婚とか生活とか・・・
結構それが悔しかったりとか、逆に素敵に見えたりして。
どこかの雑誌か何かで読んだものの中に・・確かアメリカかイギリスの映画女優か何かだったと思うけれど、リムジンとか
の車の中で街を眺めてて・・・ウインドウショッピングしてる人をみて羨ましく思ったっていう話があるんですけど、
もしかしたらそれに近いかもしれない

●僕たちには想像もできないようなミュージシャンとしての”絆”を作品に生身や感情を注ぎ、歌う事で
乗り越えようともがきながら彼は生きている。
けれど、確実に言えるのは、この歌が僕たちの感情へ自然に重なり包み込んでくれるようなエネルギーを
持ってるということ・・・・
つまり彼自身が今も、僕たちに限りなく近い場所で生きているという事だ。それが今、なんだか凄く嬉しい。


by sinasoba4 | 2015-09-29 06:34 | WANDS雑誌

by 支那そば