”ライヴ”でありたい。生のライヴでもっと勝負していきたい
上杉さん:寝不足で最悪です、自分ちでMTRごっこしてて(笑)
(注:MTRとは作曲等に使用する機材のこと。どうやら彼は自宅で毎夜個人的創作活動に
没頭してるらしい)
柴崎さん:僕はライヴ終わって二日くらいはエネルギーが足りない感じで・・・その後ライヴとは
関係ないけど生活が逆転してて、その辺で時差ボケ的な(笑)
自宅で曲を作ったり、曲が出来たらスタジオに入ったりしてるんで。
木村さん:僕もライヴ終わって二日くらいは駄目だったから、その後レコーディングの日以外は
朝8時にちゃんと起きて、夜1時に寝るようにしててて。
●たった2回のライヴとはいっても、やっぱりみんな結構出し尽くしたと?
上杉さん:声はガラガラになりましたけど、気持ちのたかぶりがなかなか元に戻らなかった
って方が強いです。自分達(ライヴ本番)のビデオ観るのが怖いなって感じで・・・ここが!
とか思っちゃうから、神経質にね。
●ライヴ当日を回想して欲しいんだけど、ステージへ出た瞬間の気持ちは?
木村さん:出る前は緊張してたんだけど、上杉に肩をポンっ!て叩かれて・・・
それで、よし!って感じになって落ち着いて。あれがなかったらぼろぼろになってたかもしれない(笑)
柴崎さん:うん、初日はわりと真っ白に近かったかもしれない。あっと言う間に終わっちゃった、
みたいな。
上杉さん:俺は・・・・・・全然緊張してなかったですね。
●本当?観ていて、”目がつりあがってるな”って感じでしたか。
上杉さん:ああ、そういう意味では顔が険しくなってたかもしれない。自分と闘ってる、というか・・・
渋公っていう事で、結構ロックを純粋に演ってきてて”将来武道館に立てたら良いな”って思ってるような
連中って、その前の段階で渋公で演りたいなっていうのがあるじゃないですか?そういう連中に
”WANDSも立ったんだし”とか言われるのは悔しいし・・・ロック魂うぃ見せたろか、くらいの気持ちは
ありましたね。いかに自分がロック好きなのか、ってことを伝えられるかという部分で勝負したかった
から。
柴崎さん:全体的に”どうだ、聴いてみろ!”っていうパワーはあったかもね・・・”これが自分だ”
的な。
●ああ、あの長いソロとかを聴いてたら”ギタリスト柴崎の意地”みたいな部分も感じられたね、確かに
柴崎んさん:今まで自分の中で出し切れてない部分が爆発しちゃったっていうか(笑)
まあ、少し演りすぎたかなという部分もありますが
●良いじゃん、最初なんだから(笑)
で、演ってる最中に他の二人を見た時の感想などはどうでもいいでしょう?
木村さん:柴崎なんかはリハーサルと動きが全然違うし・・・・僕は後ろにいるから
結構冷静な目で見てると思うんですけど、やっぱりお客さんとのパワーのやり取りというか
(観客が向ける)視線の揺れにしても凄かったですね。本当に”何で?”っていうくらいにハードなんだけど
・・・・・柴崎には驚きました。
柴崎さん:はは・・・確かに上杉はありのままの姿に近いというか、ロックヴォーカリストの
原石に近いような形で自分を吐き出してましたね。木村もたくさんのお客さんを前にして、たかぶって
る張り詰めた気持ちのようなものが・・・モニター・スピーカーから返ってくるピアノの音に
出てたし。
●ああ、木村君は表情にも出てた。いろんな場面で嬉しそうだったり、真剣な表情になったり・・・・
上杉君は?
上杉さん:とりあえず、木村は楽しそうでしたよ(笑)柴崎は”どうだ!”的なギターソロが気持ち良かったし
・・・・同じメンバーとして”WANDSも速いフレーズくらい弾くんだよ、演らないだけなんだよ”みたいな。
まあ、俺は自分のことで精一杯で、あんまり余裕も無かったんですよ。だけど最後のアンコールで木村が
ショルダーキーボード持って走った時にはちょっとびっくりしましたけど(笑)
●WANDSの3人の関係性とか、成り立ちかたが凄く自然に出ていて。ああ、WANDSってこんな
バンドなんだよなって良く分かるステージでしたな。プレイなども含めて本番中にヤバかった
点などはありますか?
木村さん:「KEEP MY~」の全員コーラスになるところのキー(音程)が高くて、一生懸命歌ったんですけど
少し貧血気味になりました(笑)
柴崎さん:俺も・・・・自分のトップノート(一番高い声)に近いコーラスだったから、
次の曲で自分が歌うこと思い出して不安になって(笑)
●あの全員コーラス部分は少々泣けたね、客席も一緒に歌ってたし
上杉さん:俺は声が初日で結構かすれてたから、二日目のサンプラはおとなし目の曲とか不安だったかな。
●では逆に心地よかった部分は?
木村さん:走ったこと(笑)でも自分が走ってみて、二人がどれだけハードかっていうのが
良くわかりましたね
柴崎さん:俺は初日の最初に出て行った時が一番気持ち良かったかな、”待ってた!”っていう
客席の感じがすごく伝わってきて・・・・ほんの一瞬、最初の何十秒かの間のことだけど
上杉さん:うん。あとは「CLOUDY SKY」だったかな、客席を煽って・・・・2階席まで全員が
手を挙げてリズムを取ってくれた時が。あの手の数っていうのはすごいですよね。
柴崎さん:そういう意味ではギターソロも気持ちよかった。独りでステージ上に残されて
一人対二千数百人で。
●では実際2本ホールでライヴを演ってみて、再確認できたWANDSのライヴスタイルはありますが?
柴崎さん:ライヴはやっぱり、自分たちの原型に近い部分を出していって良いんじゃないかなと。
CDよりもさらに色々なことを盛り込んだプレイを見せることが出来る場所だから・・・
自分の中で充実感もすごくあったし。
木村さん:すごく楽しかったですよ。本当に。もちろん今回がベストというわけじゃないけど、3人が
一緒にひとつのことを演ってるっていうバンド感、客席との一体感も感じることが出来たし。
上杉さん:あとは、以前”ホールはホールなりのライヴを・・・”みたいに言いましたけど、
やっぱりまだエンターテイメントのようなことは演りたくないなっていうか、あまり”ショウ”的な
ものよりも”ライヴ”でありたいなと。生のライヴっていうところでもっと勝負していって、
バンドとしてもっと大人になれたときにまた方向性を考えよう、と。”もっと出来るのに”って
思ったから・・・・まだ変に大人になりたくないなっていうか、そういう感じです。今
by sinasoba4
| 2015-10-01 19:01
| WANDS雑誌