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上杉昇さんUnofficialブログ ~Fragmento del alma~ 

wesugisan.exblog.jp

上杉昇さんの歌声をもっと沢山の人に聴いてもらいたい。そんな想いを伝えたくてブログを始めました。あまり目立ったり、FAN仲間を作る目的ではなく、自分がいいと思う上杉さんの楽曲を沢山の人に聴いてもらいたい、知ってもらいたい。純粋によい音楽を聴いてもらいたいという思いだけですので、何かを感じて、上杉さんの音楽を聴いてみたいと思って頂けたら、本望です。

夜明けはくる

1993年 9月 B-PASS
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●3ヶ月に一度ぐらいずつしか会えないけれど、そのたびに上杉君の顔付きが変わっていくような気がして
ならなかった。どう変化していいるのかを言葉で表現するのは少し難しいけれど、誤解を恐れずに言うなら
”何かに禁欲的なほど一心不乱になっている男性特有の近づき難さを持った顔”・・・そんな感じだ

上杉さん:このあいだの取材の時に詞を書く事は自分の中にあるものを吐き出すこと、削ることだって
話しましたよね。それが最近はもっと度合いが強くなってきてて・・・そうすると逆に、無意識なんですけど
生活自体からしていろんな物を”見よう見よう”とするんですよ、なんだか飢えたハイエナのような状態ですね。

●WANDSの楽曲以外にも数々のアーティストへ詞を提供している彼は、身の回りに起きた事すべてを吸収して
しまうくらい、いわば人並みの感受性を超越したところで私生活と対峙しているのだろう。でないとあれだけ
僕達の感情を揺さぶるほど生身の詞は書けない。

上杉さん:このままいくと・・・どうなるんだろうって思いますけど(笑)でも変に”上杉の詞はこういう
パターンで”とか、そういうイメージを固められるのは好きじゃないし、ある種ワクの中から常に飛び出したい
飛び出したいと思ってるっていうか、常に新しい方向に行きたいんです。だけど嘘もつきたくないですからね、
自分の吐き出したものに対して責任感っていうか・・・それは以前よりも凄く感じてます。やっぱり10年後に
振り返って”あちゃあ”っていう物は作りたくないから

●最新作「Little Bit・・・」で描かれる7つの情景には、眉毛をつりあげた彼や両手を拡げて一直線に歩き続ける彼、すべてを心の片隅にしまいこんでベットに身を横たえる彼や多くの人達の支えになろうとする彼まで、触れたら壊れそうなくらい生身の彼が存在している。

上杉さん:最近ちょっと考え方が、恋愛とかに関しても変わってきてて・・・昔だったら軽蔑しただろうなって
いうような自分の姿も肯定できるようになってきたし、もっと広い意味で満たされてなくて、本当の自分を取り戻せない奴等を支えたいっていうような考え方も生まれてきてて・・・それは、実はいろんな意味で自分が生きていく為の手段なのかなっていう気もしてますけど

●ラストに置かれた「DON'T CRY」という曲の中では彼は”夜明けはくる”と叫び、”輝けるさ、何かを愛せるならば”と断言する。こんな彼は今までの曲の中には居なかったはずだ。

上杉さん:今回この曲を書けた事が自分の中で一番大きいというか・・・こういう風に断言して両手を拡げて
歩くと、逆境も、受ける風も大きいだろうなと思って・・すごく怖いですよ、自分で。だけど背負う物がどれだけ
大きくなったとしても、やっぱり逃げたくない。自分自身にどんな風にあとで返ってくるのかって考えたら・・・

●もうひとつ。彼が僕達に向けて放つ歌=ヴォーカルそのものも、最新作では衝撃的なほどの生々しさにあふれている。そう、一度ヴォーカル・ブースに入ったなら彼はどこまでも、自分が納得出来るまで歌い続けてしまうのかも
知れない。

上杉さん:最近は(競走馬の様なポーズをして)こうなってるって言われます。歌のミックス作業にも全部立ち会ってて・・・”上杉君はもうこれだから”ってスタッフにね(笑)でもヴォーカルのリバーブ(残響音)とかも、今回は一切ほとんど入ってなくて、もうスピーカーのここ(目の前)で自分が歌ってるようにきちんと聴こえなきゃ駄目だっていう。なんか嫌いなんですよ。よくある胡散臭い機械に頼るみたいなヴォーカルは

●”これが俺の歌だ”それを伝えたいという意識がより強まった結果、限りなくストレートで、驚くほど荒削りな味わいも損なわないように配慮されて、彼のヴォーカルはアルバムに収められた。

上杉さん:以前はいろんなサウンドを着込んで、ヴォーカルも前に行こう前に行こうってしてたんだけど、最近
僕自身は裸の自分に戻る感じっていうか・・・・
まだまだ裸になりきれてはいないですけどね、全然始まったばかりみたいなものだから

●彼は真顔でこう言うが、シングル盤のテイクよりも、より”彼”そのままのヴォーカルが聴けるようにリミックス
された1曲目の「恋せよ乙女」を聴くだけでも、誰もが今日の上杉君の言葉すべてにうなずけてしまうのでは
ないだろうか。

上杉さん:とにかく、今、僕が出せる物全部を出しました。だからすごく、外に対してタフなアルバムになったんじゃないかな・・
本当にもう、誰にも負けないような武闘家に殴られても、そんじょそこらじゃへこたれないような(笑)・・・うん、それだけタフなアルバムだと思います

●上杉君に対して近づき難いような顔付きの変化を感じていたのは、もしかしたらWANDSの作品、それどころか彼自身に一番顕著に備わってきた”タフさ”のせいだったのかも知れないという事に、今頃やっと気が付いた。

by sinasoba4 | 2015-10-07 18:53 | WANDS雑誌

by 支那そば