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上杉昇さんUnofficialブログ ~Fragmento del alma~ 

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上杉昇さんの歌声をもっと沢山の人に聴いてもらいたい。そんな想いを伝えたくてブログを始めました。あまり目立ったり、FAN仲間を作る目的ではなく、自分がいいと思う上杉さんの楽曲を沢山の人に聴いてもらいたい、知ってもらいたい。純粋によい音楽を聴いてもらいたいという思いだけですので、何かを感じて、上杉さんの音楽を聴いてみたいと思って頂けたら、本望です。

高らかな産声

1999年6月 CLAP!
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「セイレン」が完成したとき、上杉は「純度100%のロックアルバムをつくることができた」と言った。
あのアルバムが”これがal.ni.coの思うロックです”ということを証明してみせたライヴだった。
ロックというものを追い求め続けてきた少年がいつのまにかロックと同化していた。
そんなメタモルフォーゼの瞬間に立ち会ったような気分とでも言おうが、
この日の彼らは新しい力を手にした自身と確信、エネルギーと喜びに満ちていて、本当にカッコよかった。
アルバムリリース前の2月にも、同じツアーメンバー&ほぼ同じメニューによる
ライヴがあったが(渋谷クアトロ)
あのときのライヴとは雰囲気や力強さが全然違う。リラックスしていて堂々としていて、
だからこそそこから放たれる
パワーは、純粋で濃い、また、それをしっかり受け取っていた観客側の質もよかった。
2月のライヴでは、メンバーが
何やっても「かわいー!」とか叫ぶような勘の悪いファンが若干いたが、
今回のオーディエンスは、al.ni.coの目指すところをよく理解しているようだ。
上杉がMCで「お前らのケツを蹴り上げに来たぜ」と言ったりするちょっとふざけた場面では
「イエー!」と盛り上がり、圧倒的な迫力を醸し出す壮大な曲では、静かに感動を心に刻み、
グランジ系の激しいナンバーでは頭ではなく体でその熱さを感じているように見えた。
演奏の奥にあるテンションやうねりまでも伝えられるミュージシャンが
そろっているからだろうが、中盤の”柴崎コーナー”でインスト(ジェフ・ベックのカバー)をやったときも、
そのスリリングな演奏に会場がは拍手喝采、al.ni.coのライヴが、単なる持ち歌の実演でもエンターテイメント
でもないことを物語っていた。
しかし、何と言っても特筆すべきは、上杉の吹っ切れぶりである。自分の歌に対して一切のあいまいさや
ごまかしを許さず真正面からオーディエンスに対峙したその姿には、何か一度深く深く考え抜いた人間特有のシャープな空気が漂っていた。
これから書く事は私の推測にすぎないので、そのつもりで読んでほしいのだが、
今思うとWANDS後期のライヴでは、彼は自分なりのロックをそこに持ち込もうとただがむしゃらだった。
そして、2月に行われたal.ni.coの上杉として自由に発信できる状況を得て、
自分自身をそのままさらけ出せたのではないだろうか、シングル「TOY$!」を発表して以来、
これまでal.ni.coが蒔いてきた種が、この日ついに花を咲かせたのだ。本編のラスト「Blindmans Buff」の
エンディングで上杉が叫んだロングシャウトは新しい生命の誕生を告げる力強い産声のように胸に響いた。


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by sinasoba4 | 2015-10-12 12:08 | al.ni.co雑誌

by 支那そば