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上杉昇さんUnofficialブログ ~Fragmento del alma~ 

wesugisan.exblog.jp

上杉昇さんの歌声をもっと沢山の人に聴いてもらいたい。そんな想いを伝えたくてブログを始めました。あまり目立ったり、FAN仲間を作る目的ではなく、自分がいいと思う上杉さんの楽曲を沢山の人に聴いてもらいたい、知ってもらいたい。純粋によい音楽を聴いてもらいたいという思いだけですので、何かを感じて、上杉さんの音楽を聴いてみたいと思って頂けたら、本望です。

そこから始まるもの

1999年7月 GIGS


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●正直言って今回のツアー初日、渋谷クアトロでのステージを観た時は、”オヤッ?”っていう感じだった。
一連のCDであれだけすごい歌を聴かせてくれた上杉昇の姿が見えなくて、その点、最終日の赤坂BLITZはCDでの
クオリティに匹敵する素晴らしいヴォーカルと堪能することができたんだけどね。

上杉さん:表現は適切じゃないかもしないけれど、ずっと植物人間のような生活をしていましたからね。
ライヴから遠ざかっていたという意味で。で、ツアー前にリハをやってみたら、1日歌ってみただけで翌日は
ノドが枯れて、すもうとりみたいな声になっちゃって(笑)

●ごっつあんですって?

上杉さん:そう。しゃがれ声で”ごっつあんです”(笑)その時は自分でも思いましたね”こんなことでツアーを
やれるんだろうか?”って

●そういう不安を抱えたままツアーは始まったと?

上杉さん:ええ。また、オレってこれまではステージでのモニターのことを全然重要視していなかったんですよ。
自分の声がお客さんに届いていればヴォーカル用のモニタースピーカーなんてどうでもいいやって感じで。
でも、そんな調子でやった最初のステージの模様をビデオでチェックしてみたら、明らかに自分の声が聴き取れずに
音程を外しているのが分かってね。

●確かに、ちゃんとモニターできていればOKなのにという外し方だった。それが証拠に静かな曲ではピッチを
保てていたから。

上杉さん:そういうことからまずは思ったんですよ。”モニターシステムを操るスタッフっていうのも大事なんだなあ、
ライヴというものは自分一人では成り立たないんだ”って。

●前のバンドのライヴでの経験は参考にならなかったの?

上杉さん:バンドの構成、曲の方向性、歌い方・・すべてが違っていましたから。今みたいにがなるような歌い方も
したことがなかったし。

●ということは現在のヴォーカルスタイルとしては生まれて初めてのツアーでもあったわけだ。

上杉さん:そうです。そうです。でも回を重ねていく内にステージの翌日も”オッ、普通の声でしゃべれるじゃん”って
いう風になっていってね(笑)多分やっていくうちにペース配分が分かってきて、ノドに負担がかからないように
なったんじゃないかな。最初の内はとにかくがむしゃらに突っ走って、”もうこれ以上走れない”ってなったら、その時に
考えようって感じだった。それが徐々に、抑えるところは抑えて、ガーっと行くところは行くっていうようになったという。

●その辺に関しては他のメンバーも同じだったのではないかな?

上杉さん:どうなんでしょうね?オレは声を出している時は周りのことは見えてないんで。モニターから返してもらっていた音も
ヴォーカル中心だったっし。歌っていないパートでは、みんなの音を聴いていましたけどね。”アッ、ギター間違えた!”とかね(笑)
でもまあ、どっちかというと自分の声を基準に歌っていくタイプなんで、メンバーのことはあんまり・・(笑)


●自分の声自体がガイドになっている?

上杉さん:ですね。次のパートを歌うためい、今歌っているパートをガイドとしている。もっともツアー後半はリズムも
しっかりしてきて、そのことでより歌いやすくなったというのはありましたが。あと、バンドっていうことで言うと
WANDS時代と違って同期ものが入っていないっていうのは凄く楽だった。打ち込みにまつわる決めことがない分、のびのび歌えて

●キーボードが入っていないというのは、最後まで苦にならなかった?

上杉さん:全然キーボードどころかCDに入っていたコーラスパートもなかったですからね。でも違和感はまるでなくて
唯一「カナリア」だけは柴崎に”コーラスやってよ”って言ったんだけど、”ギターが難しいからダメ”って言われて(笑)

●初日と最終日ではシャウトの回数が随分違っていたけれど、会場毎にかなりアドリブの付け方に変化があったのかな?

上杉さん:ありましたね。会場によってはほとんどシャウトしない日もあって

●それはお客さんのリアクションとも関係する部分だった?

上杉さん:ええ。場所によってかなり反応が違ったんですよ。例えば、これはWANDS時代からそうだったんだけど、
北海道のお客さんは行儀がいい。最初はじっと聴き入って、徐々に盛り上がっていく。そうするとこっちも
バラード系の、じっくり聴かせるタイプのナンバーを重視する態勢になったりして。逆に大阪とか東京みたいに最初から
アッパーなお客さんを前にすると”よし、もっとアッパーにしてやろう!!”ってなるんですよ。

●同じステージ内でも、かなり起伏がつけられていたよね。ガーっとアッパーな曲をやった後に、
ズシーンとダウナーなナンバーが来たりして。

上杉さん:おまけにビートルズのカバーとかまであって(笑)とにかくいろんな世界が混ざったプログラムでしたよね。

●そのそれぞれの曲でバシっとギアを入れ替えられる上杉くんの集中力には感心させられたな。

上杉さん:カヴァー曲はともかく、al.ni.coでは自分で作った曲を歌っている。そこは大きいと思うんですよ。
どんなに世界観は様々でも他人の曲じゃない分、スッと入り込んでいけますからね。初日の「Blindman's Buff」とか
自分で歌っていてゾクゾクっと寒気がしちゃったくらいで(笑)ああいうアクの強い曲っていうのは
、いったんハマるとハマれるんですよ(笑)

●より曲を自分のものにするために、ツアー中でリハーサルとかはした?

上杉さん:いや、柴崎は自主的にやってましたけどね。ホテルの部屋にいたら、隣だった彼の部屋からギター音が
聞こえたりして。本人はヘッドフォンをスピーカー代わりにして音を出していたと言うんだけど、そんな大きさでは
なくて(笑)

●そういえば柴崎くんのソロコーナーあれはいつ設けることになったの?

上杉さん:初日はなかったですからね。オレも渋谷クアトロの次の札幌の本番で初めて見た。本当は他にも
候補曲がいくつかあったんですよ。ジミヘンのカヴァーとか。でも、それはホテルで練習しているのを
聴いただけに終わっちゃて(笑)

●上杉くんはとにかく本番一発勝負だったわけだけど、それで全てOKだった?

上杉さん:いつも緊張はしていkましたよ。それこそ最終日までベースのミチアキさんとかは、本番前から余裕で
騒いでいましたけれどね。緊張をほぐすためには笑うのがいいみたいで。西武ライオンズの松坂がいつも笑っているのも、
そういう教育を受けてきたからだっていう話を聞いたことがあるし。でも、オレはなかなか笑いの輪の中に入っていけない
タイプでね(笑)柴崎と二人して緊張して。

●その緊張はステージに上がると消えるものなのでしょうか?

上杉さん:消えるのはステージに上がってしばらくしてからでしたね。柴崎のソロコーナーで、オレはいったんステージの
袖に下がるじゃないですか?あの時に気分が変わることが多かったです。

●あのコーナーには、かなり助けられていたわけですか?

上杉さん:そこが難しいところなんですよね。結構待ち時間が長いから、妙にくつろいじゃって。そのせいでイチから
テンションを高めていかなければならないこともあって。

●思いがけないハプニングのせいで緊張がほぐれたって話しもよく聞くけど

上杉さん:1回ありましたよ。コードがどこかに引っかかった途端にマイクがコロコロと客席に落ちちゃって、
お客さんに拾ってもらったという(笑)

●でも、ワイヤレスにはしないんでしょ?

上杉さん:ワイヤレスって音がやせちゃいますからね。今は聴かせる曲が多いんで、少しでもいい音で
やりたいんですよ。

●昨日、サングラスが曇って、何にも見えなかったという問題は解決した?

上杉さん:しました。曇り止めを塗ったんで(笑)

●ツアーは白衣で通したようだけど、あれは何か意味があったのかな?

上杉さん:ライヴに関して言えば4年間のブランクがあったから、ツアー前にリハビリ期間が欲しかったんです。
それか、ガンズみたいにツアーに精神科医やマッサージ師を同行させるか。どちらも不可能だったので、
”じゃあ自分が医者になろう!”ってことで白衣を着ることにしたんですよ。もし白衣でステージに立って
具合が悪くなって病院に運ばれて本物の医者に治療されたら、これほど面白い展開はなかったと思うんですけどね(笑)
残念ながらステージで何事もなくツアーは終わってしまったんです(笑)


by sinasoba4 | 2015-10-12 17:20 | ai.ni.co雑誌

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